・銀河鉄道のパロ
・よくわからない感じです
・原作未読でも多分大丈夫(?)
・雰囲気でお読みください





皆の幸せのため、神に身を呈することを望んだサソリは、紅の美しい炎となり夜の闇を照らした。


「俺がサソリ?」

穏やかに進む列車に揺られ、変わりゆく幻想的な景色を横目に、気分はまどろみの中を彷徨しているように、何処かふわふわとしている。いつの間にか遥か遠くへと過ぎ去っていった真っ赤な星を見つめながら、美咲は不思議そうに首をかしげた。

「ああ」

美咲は深い闇を照らし出したサソリのように、秋彦に光を与えてくれた。一緒にいるだけで景色が色付き、時に笑えば世界は輝く。それは窓の外に広がる光の瞬きよりも、きらびやかなもので。

「お前がいるだけで、幸せになれる」

ふわりと微笑みかけると美咲は恥ずかしそうに頬を染め、しかし少し寂しそうに、窓の外へと視線を向けた。

「本当のしあわせって、何だろう」

外の瞬きを写す瞳は不安げに揺れていて、まるで今の美咲の心を映し出しているかのようだ。

「俺はウサギさんにとって、本当のしあわせだったのかな」

今度は秋彦の顔を捉えた瞳が、じっと見つめてくる。その奥にある真剣さには何故かどきりとさせられるものがあって、理由の分からない胸騒ぎを感じながらも、秋彦は静かに口を開いた。

「答えは分からない」

人生という一瞬のような時の中を必死にもがいて探しても、何が本当の幸せかなんて見つかるとは限らない。一生分からないまま終わってしまうことの方がきっと多いだろう。それほどに、無限とものが溢れたこの世界から、小さな小さな光を見つけ出すことは、難しい。

「それでも」

一つだけ確かだと思うのは、この胸をこんなにも焦がしたサソリの炎は、たったひとりだと。

遙か彼方に続く道の先は、星の流れが途切れているのか暗く、そこには目を凝らしても何も見えない底知れぬ深い闇が広がっていた。

「じゃあ、探しにいこうか」

本当の幸せを、2人で。
どこまでもどこまでも星を辿り、光が失われたあの闇の中だって、君と一緒なら恐れずに進んでいける。
きっと、その赤い炎がどこまでも道を照らし出してくれるから。

「うん」

そうだね、


車内に消え入るようなその声は酷く優しく、何処か儚い響きで。美咲の顔には、穏やかな笑顔と一緒に、きれいな涙が浮かんでいた。

線路は空を流れる天の川に沿うようにどこまでも続くようで、列車は様々な光彩の散りばめられた道を静かに進む。
2人で窓の外を駆け抜けるいくつもの流星群の光を眺めながら、この旅はきっと永遠に続くだろうと、そう信じていた。


「そう、ずっと一緒にどこまでも――・・・」











思いつき。どっちがジョバンニでカムパネルラとかは雰囲気で察してください←
そしていろいろごめんなさい。
パロといいながら話はほぼ捏造です、サソリと幸せについての会話は原作の引用ですが。
幸せ探しがどうのこうの書いといてあれですが、私は本当なんて無い気がします。一生懸命探して見つけ出したものがそうなんだと、自分が信じたそれが本当になるんじゃないかなと。

銀河鉄道は編集した人や出版社によって話がちょっとずつ変えられてるみたいです。友達に「ジョバンニは最後学者になるんだよね」と覚えの無い設定を聞かされてびっくりしました。
私が読んだのは原文のままのものですが、ジョバンニが夢から覚めて、カムパネルラが水に落ちたことを知らされた所で終わります。




2009.12.16

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